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GEEK ROCKの名曲たち(動画あり)

今日はひさびさにyoutubeで曲を聴いていたので、ちょっとジャンルを絞って並べてみます。

ジャンルは”GEEK ROCK”です。

“GEEK ROCK”、あまりなじみの無い言葉ですが、簡単にいうと”GEEKS”の奏でる”ROCK”、GEEKSとは「オタク」という意味ですが、このジャンルを指す場合はもっと曖昧に「負け犬」とか、現代風にいうと「非リア充」とか「コミュ障」といった感じの意味になります。

そんな「非リア充」たちの奏でる音楽は、自分のふがいなさ、弱さをさらけだした上での「リア充」への渇望、今よりももっと良くなりたいという叫びであふれています。
近年は昔に比べて政治や社会について叫ぶことも減り、恋愛など日常的なテーマを歌うことが多くなりました。そんな現代的テーマにおいて本当に「叫ぶ」ことが出来るのは、やはりGEEKSたちをおいて他にありません。
なぜなら、かっこ良くって面白く、毎日を楽しめているいわゆる「リア充」は「叫ぶ」必要なんて無いですからね。僕は「リア充」にROCKはできないと思っています。

音楽的特徴でいうと、独白に近い歌詞を伝えるため構成や演奏はシンプルに、その恥ずかしさを覆い隠すようにメタル並の歪んだギターを重ね、ただしセクシーでエンターテイメントなイメージの象徴であるギターソロなんかは無くし、メロディーとコーラスワークに集中する。といった感じのスタイルになります。
ギターポップなどととほぼ同じ特徴ですが、たしかにその違いは姿勢、精神性にしか無いといっていいでしょう。 つまり明確なジャンルというわけでは無いので、どのアーティストがそうだ、というのは一概には言えません。
1990年代後半から2000年代前半が最も盛んな時期だと思います。

では、このジャンルの象徴的存在、というか先程の音楽的特徴はこの人達のことを言っただけ、とも言えるバンドから。

・WEEZER

このジャンルにおいて最も成功した、というか精神面、音楽面でいういわゆる”GEEK ROCK”を作り上げた存在。 現在もかなり人気がありますが、1作目と2作目で”GEEK ROCK”を完全に体現し成功を納めたことによって、精神が満たされてしまい、3作目以降は情熱をおさえた良質なポップソングというものに変化していきました。
このことからも”GEEK ROCK”とは、満たされない思いを叫ぶという性質上、成功すると歌がリアルでは無くなってしまい、”GEEK ROCK”ではいられなくなる、という矛盾を抱えていることがわかります。
それでも根強い支持を受けているのは、ひとえに作曲者リヴァース・クオモのソングライティングセンスの高さでしょう。

・Wheatus

このTeenage Dirtbagという曲。最高にGEEKです。

だって僕はただの十代のルーザー野郎
そうさ僕はただの十代のルーザー野郎
一緒にアイアン・メイデンを聴いてくれないか ベイビー

いいですね。「アイアンメイデン」が言いたい事全てを現しています。で、歌詞中にでてくる片思いの女性「ノエル」の方から逆にアイアンメイデンのライブに誘われるのですが、

これは嘘に違いない
僕の唇が震え始める
なぜ彼女は僕を知っているんだろう
なぜ彼女は僕に目を向けたりしたんだろう

こんな調子。超草食系男子ですが、曲の引き出しの多さとかセンスは本物です。

・The Rentals

これはWEEZERのベーシスト、マット・シャープのバンド。そのファズベースとムーグシンセのサウンドはたくさんのフォロワーを生み出し、ある意味リヴァース・クオモよりも音楽的影響力が強いと言えます。1stアルバムは泣きメロ満載でおすすめです。

・Fountains of Wayne

有名どころばっかりになってしまいますが、このジャンルで彼らをはずすことはできません。とにかく甘い。メロディーとコーラスワークと歌詞がもう甘酸っぱさみたいなもので溢れかえっています。比較的とっつきやすいので人気も高く、年を経た今でも安定して良い歌を書いています。

・Snug

彼ら自身も言っていますが、WEEZERとThe Rentalsのようなバンドをやりたかった,ということでそのまま直系のサウンドが展開されています。2ndですごく進化して独自の雰囲気を持つバンドに成長しましたが、たったの2作で解散してしまいました。

・Ozma

数あるWEEZERフォロワーの中でも最も支持を集めた、これも直系のサウンドを展開するバンド。Wikiに

Ozma(オズマ)は、アメリカの5人組パワー・ポップバンド。複雑に構成された曲の展開だが、ウィーザーを彷彿とさせるような、直球の泣き虫ギターと爽快なツインボーカルにシンセとコーラスが絶妙に絡み合う。バンド名は「オズの魔法使い」の”オズのオズマ姫”から名前をとった。

と書いてある通り、曲構成もテンポが変わったりして面白い。検索してもDJ OZMAしか出てこないので注意。

・OK Go

まずやってることがGEEK。彼らのPVのうち、どれかは見た事があるんじゃないでしょうか。曲としては1stアルバムから完成度の高いサウンドで、発売当時Syft Recordsの試聴機で聴いた時、1曲目”Get over it”の1コーラス目でレジに持って行った記憶があります。しかしなんといっても売りはPVでしょう。

・Trucks

どちらかというとWheatusのようなスタイルで、歌詞も自虐的な感じが多いのも特徴。イギリスではヒットしたということですが、日本での流通は少なく検索にも引っかかりにくい為、知名度は低い。

・(番外編)日本では

WEEZERチルドレンは日本にもたくさんいます。Asian Kung-Fu GenerationやELLEGARDEN、BEAT CRUSADERSなど、WEEZERの影響を公言するバンドはたくさんいます。そしてそのなかでも早くから影響を受けていたのが彼。

・Air

PVはWEEZERの”Buddy Holly”から、三拍子が心地いいこの曲の感じは”Susanne”をオマージュしていると思われます。アルバム全体からいうとちょっとつまみ食いした程度というか、心酔しているわけではなさそうですが、Airは時期によって曲のスタイルが変わっていきますからね。僕はこの時が一番好きです。

そして最近で最も”GEEK ROCK”を体現しているバンドといえば彼らに決定でしょう。

・神聖かまってちゃん

ジャンルとしての”GEEK ROCK”というより、GEEKがROCKしているだけと言ってもいい程にGEEKですが、ボーカル「の子」の生々しい実感のこもったその叫びは、時に拒否反応が出る程突き刺さります。WEEZERと比べると、本当に衝動だけで曲を書いている感じなので、彼が満たされてしまった時どのような曲を書くのかすごく興味があります。

以上”GEEK ROCK”、好きな人が増えるといいなと思って集めてみました。
曲を探す時の参考になれば幸いです。



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Author : HiGUCHI
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ファッションブランド「ABSURD」のサウンドクリエーター。 兼WEBデザイナー。仕事柄在宅作業が多いため、ブログやYouTubeで外界と繋がろうとしている。



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